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高橋 幸司; 梶原 健; 小田 靖久; 坂本 慶司; 大森 俊道*; Henderson, M.*
Fusion Science and Technology, 67(4), p.718 - 731, 2015/05
被引用回数:4 パーセンタイル:33.25(Nuclear Science & Technology)ITER ECランチャーの開発において、ランチャーの機能、信頼性向上を目的とした改良設計やプロトタイプ試験を行ってきた。改良設計では、中性子遮蔽性を高めるべく、ランチャー前方に遮蔽構造物を追加するため、ミリ波伝送部における固定ミラーの位置を後方へずらしつつ、マイクロ波伝送性を保つ設計改良を行った。その設計に基づくマイクロ波伝送部のモックアップを製作し、大電力伝送実験を行った。所定の角度可変範囲(2040)において設計通りのマイクロ波伝送を実証すると共に、散乱マイクロ波によりビームダクト内壁の温度上昇を観測し、散乱マイクロ波に対するビームダクトの冷却性能の必要性を明らかにした。また、ブランケットやポートプラグについて、主に、製作性と冷却水の流力特性を評価するためのモックッアップを製作した。ブランケットやポートプラグの製作で想定しているHIPや溶接施工性などにおける大きな技術課題は無く、また、冷却設計においては、設計要求通りの圧力損失内で必要な流量が確保できることを実験的に明らかにした。
高橋 幸司; Illy, S.*; Heidinger, R.*; 春日井 敦; 南 龍太郎; 坂本 慶司; Thumm, M.*; 今井 剛
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.305 - 310, 2005/11
被引用回数:13 パーセンタイル:65.42(Nuclear Science & Technology)核融合炉におけるECランチャー用銅コーティングダイヤモンド窓を開発した。ダイヤモンド窓は周辺冷却で設計するが、そのディスクエッジに銅コーティングを施し、エッジが破損したとしても冷却水が伝送系内に浸透しないという機能を持つ。また、冷却構造を付加するためにディスクエッジにアルミロウ付けでインコネル製筒を接合するが、銅コーティングはそのロウ付け部の腐食防止にも効果的である。この窓の冷却性能を調べるため、170GHz、大電力伝送実験を行った。高周波パワーは55kW、パルス幅は3.0秒である。この時の温度上昇は45度程度となり、tan=4.410,熱伝導率1.9kW/m/Kでの計算結果とよく一致する。実験で使用したダイヤモンドは誘電損が通常より20倍程高く(4.410)、今回の実験で得られた温度上昇(誘電損失)は、実際使用する高品質ダイヤモンドにおける1MW伝送と同レベルである。本実験結果から、銅コーティングは冷却性能を阻害しないことを実証した。また、窓エッジ破損によるトラブルも回避できるという観点から、銅コーティングによりダイヤモンド窓の信頼性が向上したと言える。
高橋 幸司; 今井 剛; 小林 則幸*; 坂本 慶司; 春日井 敦; 早川 敦郎*; 森 清治*; 毛利 憲介*
Fusion Science and Technology, 47(1), p.1 - 15, 2005/01
先端可動型ECランチャーは、フロントシールド,可動ミラー,導波管コンポーネント,遮蔽体等から構成される。そのECランチャーについて、ITERの設計条件をもとに、設計,熱応力解析,核解析,電磁力解析等を通して、その適用性を評価した。その結果、フロントシールド及びミラーの熱応力はともにSUS製冷却配管内側表面で発生し、それぞれ249MPa, 350MPaであること及び許容応力(410MPa)以下であることを明らかにした。また、フロントシールドの支持部及びミラーの回転シャフトの電磁力によって生ずる応力は、それぞれ85MPa及び22MPa及び許容応力以下であることを示した。さらに、ECランチャー全体における核解析の結果、遮蔽条件も満たすことも明示した。このように、ITER級核融合炉に対しては、先端可動型ECランチャーの適用性の見通しを得た。
高橋 幸司; 小林 則幸*; 春日井 敦; 坂本 慶司
Journal of Physics; Conference Series, 25, p.75 - 83, 2005/00
ITER水平ポートランチャーの構成機器、例えば、可動ミラー,導波管伝送系,ダイヤモンド窓の開発における最近の進展について報告する。可動ミラー開発では設計・解析を中心に、冷却水供給用のスパイラル配管の繰り返し応力試験等も実施し、現実的な可動ミラー系の構造を確立した。ダイヤモンド窓開発では、窓表面あるいは内部において発生する可能性があるクラックと、冷却している窓周辺までの到達を仮定したときに起こり得る冷却水漏洩を防止することを目的として、周辺部に銅コーティングした窓を開発し、1MW級相当の大電力実験を行った。その結果、温度上昇は従来窓と比べて大きな変化は無く、コーティング部には問題となり得る熱応力も発生しないことを実証し、銅コーティングによりダイヤモンド窓の安全性が向上することを明らかにした。
高橋 幸司; 石塚 悦男; Moeller, C. P.*; 林田 一徳*; 春日井 敦; 坂本 慶司; 林 健一*; 今井 剛
Fusion Engineering and Design, 66-68, p.473 - 479, 2003/09
被引用回数:11 パーセンタイル:59.38(Nuclear Science & Technology)核融合装置用ランチャーの健全性確認のために、ランチャー前方に可動ミラーを設置する先端可動型ランチャーモックアップを製作し、可動ミラー用冷却配管の動作試験及びベアリングの中性子照射効果を調べる試験を行った。何れもITERと同等の条件下で行い、冷却配管の応力は最大で60MPaで許容応力より十分低いことを実証し、また計算結果と合うことも確認した。ベアリング性能に中性子照射の影響もなく、先端可動型の有効性を実証した。後方に可動ミラーを設置する遠隔駆動型ランチャーのモックアップの大電力放射試験を行い、角度0-10において0.5MW-3sec and 0.2MW-10secの放射に成功した。実験中及び実験後に放電や性能劣化は見られず。こちらも有効性を確認した。この結果を基に、実機と同等レベルのランチャーを設計し製作した。
高橋 幸司; Moeller, C. P.*; 坂本 慶司; 林 健一*; 今井 剛
Fusion Engineering and Design, 65(4), p.589 - 598, 2003/07
被引用回数:22 パーセンタイル:78.49(Nuclear Science & Technology)ECH/CDシステム用遠隔駆動型ランチャーは長さ4632mm,断面が47.545.7mmの矩形導波管と導波管入口に位置する可動ミラーからなり、その原理検証のために大電力試験を行った。放射角度範囲0-10で低電力結果と一致するガウシアン形状のRFビーム放射を確認した。また、0.5MW-3.0sec, 0.2MW-10secという大電力長パルス放射にも成功した。ランチャー内で、実験中のアークや実験後のダメージは確認されず、遠隔駆動型ランチャーの大電力放射・伝送を実証するとともにその有効性を確証した。
高橋 幸司; Moeller, C. P.*; 春日井 敦; 南 龍太郎; 坂本 慶司; 今井 剛
Proceedings of 28th International Conference on Infrared and Millimeter Waves, p.385 - 386, 2003/00
矩形コルゲート導波管と導波管の入口側に設置する可動ミラーからなる170GHz遠隔駆動型ECランチャーのこれまでの実験結果から、導波管のコルゲート溝寸法(特に深さ)の不均一性が高次モードを励起し、それにより伝送性能の劣化が生じることが判明した。そこで、新たに製作した高精度(溝寸法交差0.02mm以下)のコルゲート溝を有する導波管とともに伝送実験を行い、伝送特性の偏波依存性や伝送効率などを再評価した。偏波が角度可変面に垂直な場合と平行な場合ともに放射角度範囲(-12+12)で設計通りガウス状ビームが所定方向に放射されることを実証した。伝送効率は、偏波が角度可変面に平行な場合で97%程度、垂直な場合で95%程度であることも明らかとなり、計算結果(=97%)と良い一致を示した。また、直線導波管から屈曲形状を有する導波管に変更した伝送実験も開始した。この場合、放射角度を5より大きくした場合に放射されるRFパワーの低下を観測した。原因としては、コルゲート形状が交差する屈曲部の管壁での高次モード励起が考えられる。
高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; 春日井 敦; Heidinger, R.*; Thumm, M.*; Moeller, C. P.*
Proceedings of IAEA TM on ECRH Physics and Technology for ITER (CD-ROM), 7 Pages, 2003/00
ECランチャーには先端可動型と遠隔駆動型がある。前者のキーコンポーネントである先端ミラー(銅合金)について1ビーム当たり1MW,CWという条件の下に熱解析を行い、ミラー表面で最高温度333C,熱応力136MPaが生じることが判明した。応力は許容応力(200MPa)以下である。後者についてはRF伝送試験を行い、設計通りの放射角度範囲(-1212)で95%以上という高効率伝送に成功した。中性子を照射したダイアモンド窓(10n/m:ITERでの想定量より23桁多い)について、RF伝送試験と圧力試験を行い、0.48MW-30sec及び0.2MW-132secの伝送と耐圧力0.4MPa(ITERの設計条件の2倍)を実証し、ダイアモンド窓がITERで使用できる見通しを得た。
高橋 幸司; 阿部 岩司; 磯崎 正美; 池田 亮介; 小田 靖久; 梶原 健; 坂本 慶司; 小林 則幸*; 飯田 浩正*; 小松崎 学*; et al.
no journal, ,
ITER水平ポートより入射ミリ波ビームの角度可変方向をトロイダルからポロイダルへ変更することにより、プラズマ半径位置=0.40.6での電流駆動効率が倍増する解析結果が得られ、その特性を生かすべく設計変更を進めている。水平ポートランチャーのミリ波伝送部について、入射ミリ波ビームのポロイダル可変と、伝送効率99%以上を満たすミリ波設計を見いだし、構造設計に反映させた。講演では、そのミリ波設計の最適化や、ポロイダルビーム可変を可能とする遮蔽ブランケット設計の改良などについて報告する。
小林 貴之; 平内 慎一; 澤畠 正之; 寺門 正之; 和田 健次; 日向 淳; 佐藤 文明; 横倉 賢治; 星野 克道; 高橋 幸司; et al.
no journal, ,
JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動用に、高い信頼性を有し、ポロイダル・トロイダルの2方向に幅広い入射角度を実現するためのランチャー開発を行っている。特に重要な部位は、駆動シャフトの約30cmの直線駆動と約30度の回転を実現するための真空境界であるベローズ機構である。今回、本ベローズ機構の実規模モックアップを製作し、真空排気を行った状態で、直動10万回、回転1万回の繰返し駆動試験を行った。その結果、真空リーク等は観測されず、本機器の信頼性の高さを確認した。その後、本モックアップを改造し、約4mの駆動シャフト及び軸受を含む駆動系全体モックアップを製作した。本駆動系全体モックアップの繰返し試験を2015年中に実施するため、準備を進めている。さらに、4系統の冷却水チャンネルを内包する大型曲面ミラーである第二ミラーのモックアップを設計・製作して、製作性を検証した。加えて、各冷却チャンネルの流量と圧力の関係が設計と一致することを確認した。
設楽 弘之; 高橋 幸司; 小松崎 学*; 磯崎 正美; 小林 則幸*; 阿部 輝雄*; 阿部 岩司; 小田 靖久; 池田 亮介; 小林 貴之; et al.
no journal, ,
調達予定のITER水平ポートECランチャーにおいて、ミリ波伝送設計手法の評価のためランチャー内ミリ波伝送部の上段列モックアップを製作、低パワー試験を行った。実機では8本のミリ波ビーム(本試験では四隅の4本のビームを模擬)を重ねあわせたうえで、出射角可変化ミラーにより目的とする方向を設定しプラズマに入射する。本試験では各ビームのミリ波ビームのパワー分布をランチャー内、出口後などで計測、設計値との比較を行った結果、設計手法の妥当性の確認ができた。